そんな訳で、猫の写真展を観てきたのだ。

俺、写真は金払って(タダだが)観たことなかったんだが、すげえな、本物は。
なんかもう、すげえ。すげえとしか言いようがねえ、実際。
迫力?たしかに迫力はある。だがそうじゃない。
んー……存在感とか息づかいとか、なんつうか……とにかくすげえの。
猫がさ、生きてんだよ。写真の中の猫が。
俺なんか、地方住みだが一応街っぽくて、広大な田んぼの脇を歩く猫とか見たことねえし。
田舎だから景色を遮るものもなくてさ、藁葺き屋根の家の縁側でじいちゃんと猫がくつろいでる画とか、おおー、ってなるんだよ。
どの猫もみんな生き生きしてる。
生き生きと住職の肩に乗っかってたり、生き生きと塀の上を歩いてたり。
生き生きと、足滑らせて池に落ちそうになって橋にしがみついて懸垂してたり。

1枚、つうか、一双?の屏風みたく演出された写真がすごくてな。
ああ、うまく書けねえ。
林の中、多分普段は一面に苔が生してるんだと思うが、そこに真っ赤な紅葉が積み重なって、その中に黒猫がいるんだ。
緑より緑の苔、赤より赤い紅葉。そしてどこか一点を見つめる黒い猫。
ちくしょう、物書き失格。何も表現出来てねえぞ。
つうかな、文字で表現出来るなら絵や写真なんか要らんだろ。
こりゃあもう、本物を観なきゃ判らんよ。
なんだか知らんが、その写真で泣きそうになった。
たった1枚の写真。
こういうのを『胸に迫る』っていうのかもしれん。
一面の桜花の中の猫も綺麗だったんだが、紅葉の黒猫は美しかった。
猫も背景もすべてが一体となって、一面美しかった。

写真集欲しかったなー!
……とは思ったが、ここは耐えた。
しおりを買ってきた。紅葉と黒猫のやつ。
やっぱ、土産はしおりに限る。

和む……たしかに和んだが、そりゃもうたっぷり和んだが、感動もあって、豊かな良い時間を過ごせた。
アニメや漫画も良いが、たまにはこういうのも大事だなと思った。

いい年こいて、今さら何言ってんだ。

うつの時は入力出力を控えた方がいい、って意見もあるが。
俺は良いものならインプットしていいじゃないか、と思う。あまり下がってると入らないこともあるだろうが、もしかしたら、ふと、心が軽くなることもあるかもしれん。
つか、重くなりそうなもんに向き合うのは間違ってる。そーゆうのはスルーだ。
良さそうなもんだけだぞ。すくない気力を無駄に使うんじゃない。



きょうはもう無駄な雑談はやめておこう。
満たされた1時間半。その余韻に浸って。



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